着磁の原理や用途、着磁に必要な機器について
EXAMINATION
着磁機器について
鉄をはじめとする磁性材料を着磁(磁化)することで磁石へ
磁石ははじめから磁性体を引き寄せる性質を持っているわけではありません。鉄をはじめとする磁性材料を成形しただけでは磁気を帯びておらず、これを着磁(磁化)することで磁石なります。
電流を流している間だけ磁力を持つのが電磁石。それに対して、外部から磁場や電流の供給を受けることなく、磁石としての性質を保ち続けるのが永久磁石です。
永久磁石は材料によって磁力の強さや安定性、耐温度などの性質が異なります。古くから利用されているアルニコ磁石、汎用性の高いフェライト磁石、強力な磁場を持つ希土類(レアアース)磁石のネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石などの種類があり、用途によって使い分けられています。
身近なところで活用される着磁技術
身近なものの例として、携帯電話をあげてみましょう。スピーカーやバイブレーターには小型で強力な磁石を使ったモーターが使用されています。
また、縦横で画面を切り替えられたり、歩数計の機能が付いていたり、マップを開けば方位を確認できたりするのは、磁気センサーのおかげです。
着磁技術が利用されている製品は、携帯電話以外にもパソコン、冷蔵庫、電子レンジ、コピー機、エアコン、洗濯機、磁気ネックレス、
CTスキャン、MRI、自動車、電車、エレベーター、風力発電機など、枚挙にいとまがありません。
そしてこうした製品の高性能化・小型化の背景には、磁石の強力化・小型化が一役買っているのです。
着磁の原理
着磁に必要なのは、強力なエネルギーを共有する着磁電源と、着磁コイルや着磁ヨークと呼ばれる専用治具の2つ。
永久磁石を磁化するには大きなエネルギーが必要です。
一般的にはコンデンサーに充電した高電圧を、磁気コイル・ヨークを設置した磁気回路に一気に放電。
強力な磁場に設置した磁性体を磁化します。その後の永久磁石の用途によって、必要な極数や磁化レベルなどは異なるため、
正確かつ精密に磁化するには適した着磁電源や磁気コイル・ヨークの選択が重要になります。
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着磁電源
着磁には数千A〜2,3万Aもの巨大電流が必要になります。
それを供給するのが着磁電源です。これだけの電流を定常的に流すのは難しいため、コンデンサに充電した電荷を一気に流すコンデンサー式着磁電源装置が用いられます。電子磁気工業では、最大出力45,000Aの超高圧6000V着磁電源装置や、小型多極磁化に適した装置、着磁・脱磁の両方に対応する装置など幅広く取り揃えております。
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着磁コイル・着磁ヨーク
着磁電源から供給された電流の磁気回路となるのが着磁コイル・着磁ヨークです。
着磁コイルはその名の通り、着磁に使われるコイルで電線を円筒状に巻いたもの。コイルの内部に磁性体を設置して着磁を行います。
一方、着磁ヨークは複数のコイルと鉄芯で構成されています。
着磁コイルの場合は、N,S極の2極の着磁しかできませんが、着磁ヨークの場合はヨークの形状によって外周4極、内周4極、平面6極などさまざまな着磁パターンが可能になります。
電子磁気工業ではあらゆる用途・形状に対応する着磁電源装置や着磁コイル・着磁ヨークなどの着磁機器を製造・販売しております。
製品に合わせた設計・開発も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。